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AKK ニューズ・レター 第72号

2014年5月

アデイクシヨン問惠を考えよう会。かがわ(AKK)

代表 後藤見知子

 先日、「AKKかがわ」において精神科医の小笠原一能先生をお招きして「依存症になりやすい行動・思考のパターンを考える」と題して講演会を開催しました。現況として、大阪の枚方で開業しているクリニックに通院されている患者さんの傾向から見えることについて話してくださいました。以下、講演内容をかいつまんで報告します。
 患者層は、20〜50歳代の自宅での生活や外来通院が困難な重症例は多くなく、その中で、「メンタルヘルス不調を訴える」ことが依存症の前駆状態と捉えて診てきた。患者さんに多い言動を考察の素材に、そこから不調に繫がりやすいパターンを抽出し、6パターンの区分をしてみたとのことです。
 <パターン1> 他の人にどう思われているかが気にかかる人、他人の前で喋ろうとすると緊張する。会議の場で話そうとすると動悸が激しく、息が苦しくなる。職場人ごみで視線を感じる人。
 <パターン2> 義務教育では登校を嫌がるが、高校は楽しい生活だった。大学専門学校ではサークル活動が楽しくバイトにも精を出すが、しんどくなかった。入社後3年ほどは自然に振舞え疲労を感じなかったが、上司が変わってから細かいことを注意されて憂鬱になり始めた。残業もしんどくなく育児にも携わっていたが、徐々にイライラが出、怒ってしまうことが多くなる。不調前はどちらかと言うとバリバリと仕事が出来てた自覚を持ちエリートだった。ここでは以前自分を標準とみなして 現在の自分を卑下するタイプ。
 <パターン3> 体系の維持を執拗にし、過激な練習があるからこそストレスの解消になっていると信じている。休日は昼近くまで寝ている人。
 <パターン4> “ストレスのせいで病気になった”と言い同僚との折り合いも悪く(陰口・パワハラ過剰業務)なり、最後は “私は心の病気だ!。適応障害です!”と言い放ち環境(家庭でも離婚・暴力・支配)のせいにしたがる人。
 <パターン5> 自身の不調のせいで大学で心理学の講座を受講してみたり、ボランテイアのリーダーが上手くやれず勉強に励んでいるなどと不調だのにいろいろとやり続けようとする人。
 <パターン6> 頭痛を訴え痛み止めを常用し(例えばデパス・抗うつ薬など)、これを当たり前と捕らえる人。
 と内容分類されました。
 パターンのまとめとして、
 * 過敏で緊張しやすく「以前の自分」を標準として比較する
 * 不調さにまつわる「自分で考えたストーリ」に固執する
 * 治療は患者側の希望・指定で進むと考えている 
 〜 つまり、自分は、過敏さ、緊張には無縁なハズ、元気で当たり前と いう「不調をなめている」方々に多い。一方で欲張り・自己中・自分基準優先で「健康をなめている」人が多い。こうして、“グレートなはずの自分が不調になった。もうアカン、駄目や!”となる。〜
 では、このパターンはどのように形成・強化されるのか?と続きました。
 基本的には「(遺伝子)体質」これを推し進めるのが社会の「熱血バカ育成洗脳教育」だという。友達は多ければ多いほど良い、元気なら元気なほど良いと薄っぺらい人間感・社会観でみていく傾向がある。「熱血」は漢方医学では、病的状態を示す用語で、J−POPなど小学校国語に掲載されお手本としがちだ。そもそも日本の風土が「仕事は生きがい」「良妻賢母」を悲願しているのもしんどいことだ。メンタルヘルス不調は「テンションを下げること」が有効なので、イケイケ・アゲアゲエネルギッシュな見方・発想・行動をやめ持続可能な生活を目指すことが日常生活の中で大事となる。
 これらを身体で修正を試みていくと次のようなことになる。「ノリと勢い」を緩和し、1分間で10回以下のしっかり吐ききり、ゆっくり取り込む呼吸をしてみること。食事は1口30回は咀嚼し、朝の起床は一定時刻に床からで、標準体重に戻し、アルコール・カフェインはやめることだといわれました。
 あと、「あさきゆめみし」など漫画本の紹介など多数ありました。小笠原流で、とにかく、面白い内容でした。  なお、資料希望の方は申し出て下さい!