AKK ニューズ・レター 第69号
2012年12月1日
アデイクシヨン問惠を考えよう会。かがわ(AKK)
代表 後藤見知子
2012年11月17日(±)、高松市屋島西町の高松テルサにおいて、AKK講演会とフォーラムを開催した。講師に徳島県藍住病院副院長の吉田精次先生をお招きし、「アディクションに走る若者たち」というテーマでレクチャーをいただいた。後半はパネルディスカッション形式で、体験発表をしていただいた。パネラーは、香川県精神保健福祉センターの関本靖史氏、㈱高知県断酒新生会の崎岡誠司氏、香川ダルクの村上亨氏の3氏であった。会場からの質疑応答も盛り上がり、アディクションという行為の実態と恐ろしさを改めて確認する催しとなった。
吉田先生のレクチャーの要旨
まずAさんとの出会いがあった。Aさんはリストカットを繰り返す女性、持続的にお話をうかがっていくうちに、根底に原家族の機能不全性が潜んでいることがわかった。
本来、・子供にとって両親の仲がよく、・子供と両親の境界がしっかりとあり、近所との風通しもよくとれているべき家族というものが、Aさんにとってはまるで逆の機能を果たしていた。両親の仲が悪くAAさんはいつも母親の相談役を務めていた。よって家庭内のことを友達にも話せない極めて閉鎖的な家族になっていた。
Aさんは、まず友達に教えられてリストカットをするようになる。やがて自らの悩みや淋しさを忘れるため、自己治療の手段としてのアディクションに変化していく。
アディクションは、自分や他人に有害な結果をもたらすことを知りながら、その衝動をコントロールすることができない。また行為の直前に緊張惑と過覚醒的間隔を自覚し、行為遂行とともに緊張緩和や安堵感、興奮、高揚感を体験する。
アディクションとしての物質や行重は、快楽をもたらす効果、不快気分を解消する効果があり、その効果はきわめて即効的であり、他音を介さないでひとりでできる。
やがて悪循環に陥っていく。「切ってもつらいが、切らなければなおつらい」
アディクションには、自己治療としてのメリットとともに、必ず自己破壊としてのリスクをあわせ持つ。
たとえばアルコール依存症の場合、進行にともない思考様式に変化が見られる。
空想的な万能感、肥大した正義感、自我の病的肥大、罪悪感、恥辱感、被害妄想、視野狭窄、自暴自棄、劣等感、嫉妬妄想など、よってさらに自己治療としての飲酒を繰り返すとともに、自己破壊が進んでいく。やがて自己破壊のほうが大きくなっていく。
「飲んでいる人は、心が死に向か-うています。生きたいのと死にたいのと、両方ある。生きることと、死ぬことの、真ん中のようなところにいて、最初はなんとか生きていくために飲んでいたのが:、飲むためにさまざまな努力をしたり、抵抗したりしているうちに、ただ飲みたいだけになっていく」
「だんだんと生きるために飲んでいるのか、死ぬために飲んでいるのか、わからへんようになってくる。もう死んでもええわ、どうでもええわ、と思いながら、飲んでいる部分が
ある。俺から酒をとったら何が残る、というのはこの段階です。酒は疫病神だとわかっているけれども、もうこの疫病神と一緒でええわという気持ち、それが『慢性自殺』です」ひがし布施クリニック 辻本士郎先生談
アディクションからの回復には、2重の苦しさがある。これまで助けられていた自己治療の放棄、アディクション対象物からの離脱。
身体の回復、脳の回復、心の回復、人間関係の回復、この順序で回復していく。回復には自助グループが不可欠である。
自助グループの効用とは、正直になれる場の力、自分を尊重することを学ぶ、相手への尊重を学ぶ、実践し振り返り実践することの大切さなどがある。
日本ダルク代表近藤恒夫氏曰く「薬物依存を防ぐいちばん確かな方法は何か?答えは『友情』です」
援助者の役割として、受診を評価、安全を保障、親身になって話をよく聴く、否認や抵抗と戦わない、共感しながら懸念を示す、強くなるより賢くなることを勧める、継続して通院することを勧める〜などが上げられる。
最後に、家族に対して、解決方法はたったひとつ、一刻も早く、隠さず、相談することです。ご清聴、ありがとうございました。
おかげさまで今回のフォーラムも、盛会に終えることができました。これからも時節に.即したタイムリーなテーマを設け、このようなフォーラムを催してまいりたいと思いますので、またのご参加、よろしくお願いいたします。
今年も1年間有難うございました。今後ともよろしくご支援ご教示くださいますようお願い申し上げます。♡♡♡ ♡♡ ♡♡ ♡
(次回開催予定)
平成25年1月12日(士)午後1時30分〜 「AKK相談例会」と反省会
平成25年3月9日(士)午後1時30分〜 「AKKセミナー」
*3月は日にちの変更もアル、ご了承下さい!
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