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AKK ニューズ・レター 第71号

2014年8月15日

アデイクシヨン問惠を考えよう会。かがわ(AKK)

代表 後藤見知子
 
 2014年8月9日(土)、高松市男女共同参画センターにおいて、AKKかかわ上映会を開催しました。上映したのは、アメリカ映画「フライト|・参加者は30名でした。

 主人公のウィップ・ウトカーは、旅客機の機長であり、乗務先では客室乗務員の女友だちとアバンチュールを楽しむお気楽な生活である。
 ただ無類の酒好きであり、コカイン常習者である。その日も、女友だちと一緒に泊まったあと、二日酔いを治すためにコカインを吸引し、旅客機に乗務。自動操縦になるやいなや、客室に置いてあるウオッカをオレンジジュースで割って飲み、アイマスクをして居眠りを始めた。
 ところが突如、旅客機が制御不能に陥る。操縦士が手動操縦に切りかえ操作を試みるもうまくいかず、もはや墜落は免れないとなったその時、ウトカーが起死回生の操作で機体を反転させ窮地を脱し、体勢を立て直して草原に不時着させた。
 意識不明の重傷を負ったウトカーは、病院で意識を回復する。ウトカーの臨機応変な判断が多くの命を救ったと、マスコミではヒーローに祭り上げられる。ただ親密な関係を保っていた女友だちは、不時着時の負傷により亡くなったことを知らされる。
 だが入院中にウトカーの毛髪からアルコールとコカインの成分が検出されたと、航空会社の弁護士より告げられる。果してヒーローなのか?犯罪人なのか?マスコミは大いに騒ぐ。弁護士より飲酒などしていなかったと偽装工作をするよう指示される。乗務中に飲酒していたことが判明すると、ウトカーは過失責任を問われるとともに、航空会社は乗客に対し多額の賠償金を支払わねばならなくなる。
 法廷では操縦士が証人として出廷することになった。敬虔なキリスト教徒である彼は、実際に見たまま聞いたままのことを正直に証言すると、ウトカーに告げる。
 先日、岡山県津山断酒新生会の40周年記念例会で、東京都のアパリ・クリニック上野の医師、竹内達夫先生の講演を聞く機会を得た。その時、五千円札で有名な新渡戸稲造は北海道大学でクラーク博士に学び、敬虔なキリスト教徒でありながら、なぜ「武士道」なる著作を著したかという話題に触れた。新渡戸は、欧米旅行中、我が国にはキリスト教という倫理道徳規範があるが、あなたの国にはそのような倫理道徳規範がないではないかとよく友人に言われ、キリスト教に対時する観念として「武士道」を著したそうである。
 キリスト教の倫理道徳規範では、過度の飲酒は悪徳とされている。だからアルコール依存症は病気としてよりも、倫理道徳規範上、好ましくない行為とされる。だからAAでは神の存在を重要視し、アルコール依存症からの回復、断酒を促していくことになる。
 翻って日本では、過度の飲酒も倫理道徳規範に照らしあわせても悪徳とはならない。だからアルコール依存症を病気と認め、その治療として断酒を促していくそうである。
 判決の前日、ウトカーはホテルの一室に軟禁され、禁酒を強いられ、翌日の法廷では弁護士より飲酒などしていないとうそをつくよう強要される。ただ強引に入りこんだ隣の部屋の冷蔵庫にはアルコールが満載、一晩中飲酒にふけることになり、法廷には二日酔いのメチャメチャな状態で出廷した.
 裁判官「旅客機の乗務員のチリ箱からウォッカの小瓶が2本出てきたが、あなたが飲んだのですか?」
 ウトカー「・・・・・・・・」
 裁判官「では、彼女が飲んだのですね?」
 彼女とは、事故で亡くなった親密な関係の女友だちである。ここで「そうだ、彼女が飲んだ」とウトカーが言えば、死人に口なしゆえ、ウトカーは無罪放免、国民のヒーローであり、皆が幸福になれる。だがうそをつくことを、ウトカーの良心が許さなかった。
 ウトカー「いや、彼女は飲んでいない、俺が飲んだ」
 ウトカーの心に、神が舞い降りた瞬間である。
 ラストシーン、刑務所に収監されたウトカーは服役をしている仲間に、同じ過ちを繰り返さないため、自らの体験談を語っていく。(記:福家)

※今後の予定

AKKフォーラム テーマ「アディクションと家族」
   講師 新阿武山クリニックPSW 西川京子先生
   日時 2014年12月6日(土)13時30分〜
   場所 高松テレサ

少額ですが、応分の参加費をいただきます。アディクションの当事者や家族の方、アディクションに関心をお持ちの方、またそうでない方も、多数の参加、お待ちしています。