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AKK ニューズ・レター 第65号

2010年12月1日

アデイクシヨン問惠を考えよう会。かがわ(AKK)

代表 後藤見知子

わが愛しのエリック・クラプトン

 昨年だったか、一昨年だったか?エリック・クラプトンが自ら著した『エリック。クラプトン自伝』という本がただならぬ反響を呼び、発売されて早々、全米で60万部を突破したという新聞記事に接したことがある。早速、図書館に借りにいったのだが、いつも貸出中なので、予約を入れて、それでも実際に手にしたのは半年後ぐらいだったような覚えがある。
 エリック・クラプトンは、ロック・ギタリストである。いや、ブルース・ギタリストと呼んだほうがいいかもしれない。私自身、若いころよりクラプトンのギタープレイに酔いしれるファンの1人であるが、それよりもクラプトンが私と同じアルコール依存症からの回復者であるという事実が、クラプトンに対し特別なシンパシーを抱かせる。
 1945年、イギリスのロンドン近郊に生まれる。
 青年期、ヤードバーズ、ブルース・ブレーカーズ、クリーム、デレク&ドミノスなどで活躍、スローハンドとの異名をとり、若いころより天才の名をほしいままにする。
 だがそんなクラプトンも、名曲『レイラ』発表時は、ヘロインにどっぷりと溺れていたといわれる。ロックから受ける刺激を鎮静させるためか、それともロックで高揚した精神をさらに高めるためか、ロック・ミュージックとドラッグのあいだには、どうにも切り離しがたい相性の良さのようなものが存在するみたいだ。
 だがドラッグを使うことで、音楽活動が高まるどころか、逆に音楽活動は停止してしまう。クラプトンもヘロイン禍とそれを断ち切る3年間、1曲として曲を創作していない。
 1974年、ザ・フーのギタリスト、ピート・タウンゼント、ビートルズのメンバー、ジョージ・ハリスンら、親しい仲間の協力などにより、ヘロイン禍からは脱出する。だがそのストレスから逃れるため、次は合法ドラッグであるアルコールの力を借りることになる。そしてアルコール依存症への道をたどる。
 1982年、アルコール依存症の治療施設『ヘーゼルデン』に入所し、4週間の治療プログラムを受ける。その後一時再飲酒に陥るも、1988年、AA(匿名アルコール依存症者の会)のメンバーになって以来、−滴もアルコールを口にしていない。

「香川ダルク設立準備フォーラム
ー 絶望の淵から希望 ー」開催報告

 報告をする前にお断りをひと言加えておきます。先に記したタイトルで開催できず「アデイクションに悩む家族へのメッセージー薬物依存。絶望の淵から希望へ ー」と変更を致しましたことをお詫び申し上げます。今回の開催のために遠方より何度も足を運び御尽力いただいた、大分ダルクの所長であります伊藤弘行氏が、今月15日未明に他界されました。このことよりダルク設立準備の話は成立しなくなり(規約に基づき)ました。この事実より、即日会議を重ね持ちましてタイトル変更ということで開催までに漕ぎ着けました。
 以上のことを踏まえて、講師の先生にも急邊、この旨を伝え−齣だった講義を快く1日引き受けてくださり当日を迎えるになりました。(心より感謝しております。)開会あいさつを家族の代表がし、開始となりました。講演1として、西川京子講師より「「病気としての薬物依存症とその回復」と題して講演をしていただきました。そのあと、ダルクに通所している、通院している、回復途上の当事者の家族の語りを中心に体験発表をしていただき〈講演2として、家族に向けての「家族ができること取り組むこと」と題してこれまでの臨床経験の中より生み出され、関わられたことを臨場感漂う中で話が深く広がりを持ちました。講演終了後も数多くの質疑がなされ制限時間まで白熱ある内容となりました。
講演内容を簡単にまとめます。薬物依存症は「病気」です。正しい知識を持ち、決して怖がらず社会の中で受け入れて欲しい。また当事者以上に家族のもつストレスは精神科通院者よりも高得点である。薬物依存症発病要因としては、薬理作用、個人的条件、家族の条件、社会的条件等複合的に働いているが、社会で生きて行くことへの息苦しさなどが手伝い、自己治癒と化す薬を求めている事実がある。依存症への進行過程は初回使用一機械的使用一習慣的使用一薬物乱用一依存症(強迫的使用)へと至るという。(正にアルコール依存症と同じである)診断基準としてはICD−10を用いる。こうして薬物関連問題として生活に進入してる現状を話し、回復するとは「単に断薬している年数ではなく、薬物を使用しないでバランスのとれた生き方ができるようになることである」とくくられた。
回復に必要な条件としては、自助グループ(NA)、仲間、カウンセリング、回復施設、家族・社会の理解と協力は必須となる。いま、海の向こうのアメリカが実施しているドラッグ(トリートメント)コートの話もタイムリーな話題となった。刑務所が計画した治療プログラムである。選択は本人の自主性(自己責任)に任されているということです。家族の体験発表は生々しい修羅場、子どもとのやりとり、裏切り、見放し捨てるこれまでの苦労が口からほとばしるように語られました。フロアーでは絶句される方も涙する方もいらしたようです。この発表から何を感じ取り、何ができるかを模索できた時間となったと感じます。母親達からは、たおやかに、しなやかに生き抜く手だてとして講師との出会いに感謝していとも語られました。(よき理解者・支援者)家族が取組むべきこととしてはつぎのように話されました。「家族で抱え込まず専門家に相談をして支援を求めること」「病気を理解して適切な対応Fを身に付けるために学習すること」「薬物問題で起きた問題の後始末をしないこと」「当事者の気持ちを理解する」「問題を持つ人に信頼と尊敬を持ってつき合うこと」「家族一致して、一貫して取組、健康な家族関係を作ること」「家族も自助グループに参加して、孤独から抜け出すこと」「家族自身の人生を生き、自立すること」と終日柔らかいまなざしで、ソフトな口調の中にも核心に触れ、迫力あるすごさを感じさせられるものでした
2010.9.19 開催 (文責:後藤美智子)



<新刊図書>のご案内
「誰にも聞けなかったドラッグの話」
ー 薬物依存症回復者が答える96の相談メール ー
 発行:アスク・ヒューマン・ケア
 定価:(1,400円)
回答者トシ、めぱ、コンドウ氏の各人各様の回答が的確に掲載!アデクション問題に悩まれている方は是非一読下さい。

■今後の予定
 平成23年1月8日、13:30〜16:00男女共同参画センター
 レクチャー「発達障害と依存症」
  LD・発達障害親の会代表丼本くみ子さん
 (※レクチャー後、質疑応答もしていただきます)
 ご関心をお持ちの方、そうでない方も、奪ってご参加下さい。多数のご参加、お待ちしております。(会費300円)